タイトル:92歳のパリジェンヌ
監督:パスカル・プサドゥー
請求記号:D7BF/キ
資料コード:630308933
一人暮らしのマドレーヌは92歳を迎え、
子供たちが開いてくれたバースデーパーティーに招かれる。
みんなにお祝いされ、楽しいパーティーの最中、彼女はある宣言をする。
「2ヶ月後には自分で人生の幕引きをしたい。もう疲れた。」と。
驚いた家族は猛反対をするが、彼女の意思は固い。
家族の説得は成功するのだろうか。
マドレーヌの思いは変わるのだろうか。
実話を映画化したフランスの作品です。
家族の説得は当然のことだと思いました。
しかし、彼女は高齢になり、自分でできることが少しずつ減っていきます。
冒頭から切ないシーンが続き、心が痛くなります。
気力のあるうちに身の回りを片付けておきたい、
という彼女の必死な思いが次第に伝わってきて、
頭ごなしに反対してはいけないのかもしれない、
という気持ちになってきました。
ずっと反対だった娘のディアーヌが母親を介助し、
ともに行動するようになってから、娘の心に変化が現れます。
マドレーヌのぶれない生き様を間近にし、真剣に向き合い、
一つの生き方として受け入れようとしたのでしょうか。
マドレーヌの心のよりどころとして、孫の素直な行動や
家政婦ヴィクトリアの存在が、温かく描かれています。
ヴィクトリアが口ずさむ歌声は彼女への子守歌に聞こえてなりません。
また、フランス語のママンと呼ぶ響きが素敵で、
マドレーヌ役のマルト・ヴィラロンガの笑顔もとてもキュートです。
重いテーマではありますが、美しい映画だと思います。