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 日曜日:9:00-17:00
 

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2021/06/17

『江戸時代の常識・非常識 歴史街道編』

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者
タイトル:『江戸時代の常識・非常識 歴史街道編』
監修:西山松之助・大石慎三郎・村上直・森谷尅久
出版社:PHP文庫
資料コード:650106855
請求記号:T10.2/レ

稲城市立中央図書館の奥まった一角に「小木新造文庫」があります。
小木新造氏は江戸東京博物館の二代目館長をされた方です。

氏より江戸に特化した本の寄贈を受け、それをもとに
「小木新造文庫」が開設されました。そこから1冊を選んでみました。

江戸時代に興味を持ったのは、今年の大河ドラマがきっかけです。

主人公の渋沢栄一翁は長寿を全うされた方で、
生まれは江戸時代の天保11年亡くなったのは昭和6年でした。

まだ髷をゆい脇差をさしていた大昔のイメージの江戸時代から、
ついこの間(?)の昭和までご存命であったと知ると、
昭和世代の私は江戸がぐっと身近に感じられました。

そういえば最後の江戸時代生まれである、徳之島の泉重千代氏が
亡くなられたのは、昭和も末期の昭和61年のことでした。

江戸時代265年間で幕藩体制が揺らぐこともなく、
徳川の総城下町として江戸庶民の日常も落ち着き、生活水準が
向上していきました。文明が起こり熟成されるにはやたら広い所ではダメで、
江戸というほど良い狭さが「適正規模」であると述べています。

驚くべきは江戸の人口の多さです。17世紀後半で100万を超える人々が住み、
世界でもまれにみる大都市となっていました。

また江戸の面積の8割以上が大名や家来が住む武家地・お寺や神社などの
寺社地であったため、残り2割にも満たない土地に、
50万余の町人がひしめいていたとか。

大方の町民は狭小住宅どころか今でいう1Kの長屋に家族で居住。
三坪のスペースにかまどと水がめがある土間と、
食事・寝起きする居間の四畳半一間の長屋で、井戸・ごみ置場・トイレは
共同で使用。

これほど狭いと確かに親密さが育まれはしますが、
薄壁一枚を隔てただけの他家ではうっとおしさも募り、
他に迷惑をかけないような節度も「程(いき)」と読ませ重要視していたとは、
江戸文明の成熟度を感じます。

町屋の少女が良縁を得るために、武家奉公を目指していたのは
興味をひきます。武家で行儀作法をみっちり仕込んでもらい、
箔をつけて良縁を得るためです。

少女は幼い7~8歳から日々芸事に励み、
他の者と差別化をはかり、少しでも武家の目を引き奉公につなげ、
ひいては良縁を得るという三段論法さながらの展開は面白く読みました。

娘の幸せを願う親心はどの時代も変わりはありませんが、
当事者の娘と言えば親が怖くて仕方なく芸事に通っているとは
これも時代共通でしょうか。

05:30