タイトル:『日本の伝統色を愉しむ~季節の彩りを暮らしに~』
著者:長澤陽子
出版社:東邦出版
資料コード:611682667
請求記号:757.3/ニ
「見上げると、茜色(あかねいろ)に染まった夕焼け空…。
足元を見ると、朽葉色(くちばいろ)の落ち葉が敷きつめられている。」
誰もが思い描くことのできる日本の秋の風景ではないでしょうか。
日本には、古くから独特な色の呼び名がたくさんあります。
日本の伝統色とは、
「日本人特有の色彩感覚に基づいた色。
また過去の歴史資料において出典がある
日本固有の伝統的な色名称を含む千百余色を指す。」
とされています。
例えば、上記の『茜色』は本書によると、
「本州伊南に自生するアカネ科の多年草アカネの赤い根っこからきており、
この根によって染められた濃い暗めの紅赤色。」
『朽葉色』は、
「平安時代中期から呼ばれており、
朽葉とは地面に散った落ち葉を指したもので、薄い茶色。」
朽葉色には、赤朽葉・黄朽葉などバリエーションが
48色あるともいわれているそうです。
その他にも、
『承和色(そがいろ)』、『蘇芳色(すおういろ)』、
『鈍色(にびいろ)』など…。
知っている色、聞いたことのある色、初めてきく色など、
季節ごとにその色の由来が載っています。
そして、色の説明だけではなく、
その色をしたモノ・生き物や
その季節の風物詩も合わせて紹介されています。
季節が移り変わる、四季のある美しい日本。
微妙な色合いを感じとり、表現してきた日本人。
季節を感じながら、ゆったりと美しい色の風景を感じられる一冊です。
【伝統色に関する資料の紹介】
タイトル:『美しい日本の伝統色』
著者:森村宗冬
資料コード:611594733
請求記号:757.3/モ