タイトル:『西の魔女が死んだ』
著者:梨木香歩
資料コード:610365290
請求記号: Y913.6/ナ
「この本、読んでみて」
娘が小学生のころ、そう言って私に渡してくれた本です。
外で遊ぶよりも、本を読むことの方が好きだった娘は、
読んだ本の内容をよく私に話してくれました。
そして、特に気に入った本は、私にも読むようにすすめてくれました。
『西の魔女が死んだ』は、娘も私も大好きになった本の中の1冊です。
主人公の少女 “まい”は、中学生になると学校に行くのが辛くなってしまいます。
そこで “西の魔女”こと“おばあちゃん“の家で、暫く過ごすことになります。
大自然に囲まれた環境で、規則正しい生活をし、
その中で “西の魔女”からたくさんのことを感じ取り、学んでいきます。
とても懐かしくて、温かい気持ちになります。
久しぶりに読み返してみて、やっぱり「いいな~」と改めて思いました。
そして最後は泣きそうになります。(泣いてしまいます…)
裏の雑木林に群生している野いちごを摘んできて作った"野イチゴのジャム"。
ゆっくりと眠れる"おまじない"。
枕元に吊り下げた"畑の玉ねぎ"。
洗ったシーツをラベンダーの茂みの上に広げて干した"香りつきシーツ"。
一つ一つの日常が、美しくて…愛おしくて…。
おばあちゃんの厳しい言葉にも優しさが溢れており、
二人の会話からはお互いを思う気持ちが伝わってきます。
自分にとっての大事なこと、何気ない日々こそが大切なこと…。
読み終わった後、毎日を豊かな気持ちで、丁寧に過ごしたいと思える1冊です。
お気に入りの本や、好きな本などを読み返してみるのもいいものです。
その時々で違った感じ方があると思いますが、
お気に入りの気持ちはきっと変わらないと思います。
そして、もしかしたら「大のお気に入りの本」になるかもしれません。