タイトル:『認知症対策の新常識「絵本の読み聞かせ」が、予防・機能改善に効く!』
著者:鈴木宏幸(東京都健康長寿医療センター研究所研究員(主任))
渋川智明(東北公益文科大学名誉教授)
出版社:日東書院
請求記号:M491.7/ス
資料コード:612037618
認知症という言葉については、みなさんご存じのことと思います。
認知症が予防できるということは知っていますか?
認知症と診断された人の数は、2012年度は約462万人、65歳以上の高齢者7人に1人でした。
そして2025年には認知症の人は700万人前後、65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。
これは、だれもが認知症になる可能性があり、だれもが認知症の介護者として共に生きる可能性があるということなのです。
そこで昨今、認知症予防については、様々な研究がされています。
本書では,絵本の読み聞かせが認知機能の低下や認知症に進行するのを予防し、
改善出来ることを、理論的な最先端の研究結果に基づいて、具体的な実践活動の内容・方法とともに、
その経過の実証的な効果を、科学的なデータとともに紹介しています。
具体例として、板橋区での高齢者のボランティアによる子どもたちへの読み聞かせや、
北区の高齢者による高齢者のための読み聞かせを紹介。
「読み聞かせで、脳の活性化が図れ、元気いっぱいにハリがでる」
「地域のたくさんの人と知り合いになり、地域の活性化や暮らし良い地域社会を作ることに貢献できる」
「80歳で知った絵本の世界は、まさに驚きでした。10年近くあまり外に出歩かず、じっと家に座って引きこもっている状態でした」という参加者の感想を挙げています。
認知症を予防・改善する重要なポイントは、生活習慣病の予防とともに 運動・栄養改善・脳を活性化する知的活動や社会とのつながりを重視したコミュニティへの積極的に関わることなどです。
「絵本の読み聞かせ」は、それらを一体的に含み、楽しみながら実践的に活動することで、お互いがうまく作用し効果をあげているというのです。
認知症の予防対策として、図書館でも行われている絵本の読み聞かせが、「脳を活性化する知的活動」、「社会とつながる地域のコミュニティへの積極的参加」という点から、
注目され、その活動が全国に広がっているということは、新たな発見ではないでしょうか。
だれもが認知症になる可能性のある時代です。認知症予防について考えてみませんか?