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2019/09/10

遠野物語の舞台で

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

8月のお盆は母方の祖母の家で過ごしました。


祖母の家は柳田国男の『遠野物語』で有名な岩手県遠野市にあります。

駅前にコンビニもなく、駅の売店も近くの(ショッピングモールとは
名ばかりの)スーパーも夜8時より前に閉まってしまう田舎町ですが、
幼少期から昔話や妖怪が好きな私はあちこちに河童のモチーフがある
この町が大好きでした。


子どもの頃には、駅前の可愛くもない酒盛りをする河童のモニュメント?
の盃に水や草を入れたり、川の横を通る時には河童を探しながら歩いたり、
駅近くの道に書かれた河童の足跡を通るたびにたどっていたのを
覚えています。いつぞやに「河童捕獲許可証」が登場した時には、
親にねだって買ってもらいましたが、今ではどこにいったのやら…。


小学校の頃には、ほんとはそんなのいないんだよな…と思いながらも、
母を含め遠野の人たちは馬鹿にした態度をとることもなく
当たり前のように「河童」や「座敷童」などの存在を話題にあげるので、
「あれ?もしかしたらいてもおかしくないのか?」なんて思って、
河童探しなんかは結構本気でやっていました。

昔祖母の知り合いが奉公先の醤油屋で座敷童にあった話などを
聞いた時には、夜中寝たふりをしながら声や足音が聞こえないかと
ワクワクしていました。(元々ギシギシと家鳴りがするので
よくわからない音はいくらでも聞こえたのだが。)
自由研究で遠野の昔話を調べたこともあります。


そんな感じなので、もちろん『遠野物語』も読んでみることに。
文庫を買って読んだのは高校生の頃でした。

文章が古めかしくてうまく理解できない部分も多かったのですが、
ちょうどその頃「遠野物語100周年」だとかで水木しげるさんの
漫画版遠野物語が出ていて、理解するのに大変役立ちました。

物語の中に水木しげるが入り込んでいるような様子で
解説してくれたりする形式になっており、おすすめです。


『遠野物語』は、遠野に住む佐々木喜善から聞いた遠野に関する民話や
伝承を民俗学者の柳田国男が書きまとめたものですので、
遠野で祖母や親族の方と接していると実際にそこに出てくる風習や
信仰に触れる機会があったりします。

数年前の夏、大叔父がなくなった際に母と二人で寝ずの番をした時には、
物語の中に「寝ずの番をしていた時に狐が操ったことで
死体が突然動き出す」といったような話があったのを思い出し、
曲がり家の面影が残る古くてだだっ広い家で、何かもわからない
動物の鳴き声や家鳴りを聞きながらドキドキしたのを覚えています。


近年はこの町も昔以上に町おこしに力をいれているようです。
その町おこしの主軸はやはり民話の里であり『遠野物語』の舞台であること。

昔の建築や風景も大切に残しているので、興味のある方は昔に比べて
断然行きやすくなってはいますので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。



参考資料:『遠野物語』柳田国男(資料コード:550025100 他)


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