タイトル:『サキサキ オノマトペの短歌(めくってびっくり短歌絵本2)』
著者:穂村 弘/編 , 高畠 那生/絵
資料コード:611488697
請求記号:911/ホ
皆さんは、本を選ぶ時、どのような基準で選びますか?
・好きな作家、ジャンルの本を読む
・話題の本を読む
・仕事や学校などで必要にせまられて読む
・人から薦められた本を読む
・タイトルや装丁(そうてい)を見て、気になって読む
等々、1冊の本に出会うきっかけは人それぞれかと思います。
私の場合、最後の「タイトルや装丁を見て、気になって読む」
の勘に頼った本選びが多いです。
先日、児童コーナーの書架整理
(書架に並んでいる本の乱れを整える作業)
をしていて、出会いました。
『サキサキ』。
なんだ、このタイトル?!
しかも、装丁の高畠那生の絵がシュール。
中を開くと、北原白秋から俵万智まで、
幅広い年代の短歌が14首。
1首ごとに意訳とイラストがついており、
まずは歌だけを味わえるよう
ページが折りたたまれています。
“君かへす朝の舗石さくさくと
雪よ林檎の香のごとくふれ”
(北原白秋)
降り積もった雪を踏む「さくさく」という音と
林檎を噛むときの音「さくさく」という音。
なんだか朝の澄んだ空気から
ほんのり甘酸っぱい林檎の香りがしてくるような。
(実際は、今でいうところのワイドショーものの恋の歌です。)
“痩せようとふるいたたせるわけでもなく
微妙だから言うなポッチャリって”
(脇川飛鳥)
なんだか妙に共感(笑)
タイトルになっている『サキサキ』は、
“サキサキとセロリ噛みいてあどけなき
汝を愛する理由はいらず”
(佐々木幸綱)
からきています。
「シャキシャキ」でもなく、
「サクサク」でもなく「サキサキ」。
セロリのみずみずしさが伝わってきます。
私たちに身近な「オノマトペ」の楽しさと
編者の意訳の楽しさ、
またイラストの楽しさで、
とっつきにくいと感じる短歌も
親しみやすく感じる1冊です。
図書館には、この「めくってびっくり短歌絵本」シリーズが
すべて揃っておりますので、読み比べてお気に入りの
1首を見つけてみてはいかがですか。
<めくってびっくり短歌絵本シリーズの紹介>
1『そこにいますか 日常の短歌』 請求記号:911/ホ 資料番号:610930401
3『君になりたい 恋の短歌』 請求記号:911/ホ 資料番号:611518651
4『ぺったんぺったん白鳥がくる 動物の短歌』 請求記号:911/ホ 資料番号:611518633
5『納豆の大ドンブリ 家族の短歌』 請求記号:911/ホ 資料番号:611518642