水族館が好きだ。天気や気温に左右されない室内も良いし、生き物たちが悠々自適に過ごしている姿も癒される。稲城市でも2026年に予定されている東京ジャイアンツタウンに併設される水族館も楽しみにしている。
さまざまな水族館をめぐって気が付いたのは、人気の水族館は、コンセプトがはっきりしているということ。例えば大阪にある海遊館は「地球とそこに生きるすべての生き物は、お互いに作用しあう、ひとつの生命体である。」という考えの基「すべてのものは、つながっている。」をコンセプトに、エスカレーターもしくはエレベーターで8階まで上がり、そこをスタートとして3階まで真ん中の巨大水槽を中心にスロープ状に下って、生き物が見られる設計になっている。建物自体が「つながり」を表現し、様々な角度、時間で生き物を見ることができる楽しさや、階段がないのでバリアフリーにも特化していて、とても感動した。また、それぞれの水族館で力を入れている生き物がいる場合もあり、すみだ水族館はペンギン、鴨川シ―ワールドならベルーガ(飼育員の声を復唱できるベルーガが一頭)、美ら海水族館はサメなど、それぞれの強みと愛が詰まった空間をぜひ皆さまにも楽しんでもらいたい。
水族館で私が一番すきなイベントは、イルカショーなどの動物たちのショーで、特に飼育員さんと動物たちの信頼関係に感動してしまう。言葉が通じない中で、ショーのためにハンドサインと餌で練習をしていくが、それだけではない、言葉を超えたコミュニケーションがあると思っている。飼育員さんはイルカたちのパフォーマンス一つ一つに、成功したら心から喜び、たとえ失敗しても「次、頑張ろう」と口パクしている姿も見たことある。人間関係も言葉で伝える以前に信頼する事をまず大切にしていきたいと、柄にもなく深い事を考えてしまう。
最初から水族館めぐりが好きだったわけではなく、きっかけは、家にあったCanonのミラーレスカメラだった(後に弟の物だと判明)。誰も使っていないみたいだったので、はじめはペットの犬や近場を散策しながら撮っていたのだが、だんだん「もっと違うの撮ってみたいな」と思い、考えた末の水族館だった。最初は楽しく撮っていたのが、Instagramやフォトコンテストの写真を見ていくうちに、「写真はカメラのシャッターを押せば誰でも撮れる」中で「いい写真」とは何だろう?と、どんどん沼にハマっていき、たぶん今は腰までつかっている気もする。今はまだ「(画質が)きれいな写真」としか言われないが、いつか「いい写真」と周りに言われるように精進していきたい。
ひとつのカメラが、東京からほとんど出たことがなかった人間を、各地の水族館をめぐる事から、沖縄で体験ダイビングを、奄美大島の大海原に浮かんでクジラを見せるまでになるとは、想像もしていなかったなと自分でも驚いている。
≪おすすめ図書≫
『
水族館めぐり』(510755579) G.B.
『
水族館飼育係だけが見られる世界 毎日は発見と感動に満ちている』(612393533) 下村 実/著 ナツメ社