秋です。
食欲の秋です。
秋はおいしいものが豊富ですね。
おいしいものといったら、
秋刀魚、きのこ、芋、栗、南瓜などでしょうか。
いやいや忘れてはならないものがあります。
光り輝く食材、そう、新米です。
炊きたての新米からは、何とも言えないいい香りが立ち、
口に含むと甘く、幸せな気持ちになります。
新米のお供は何がよいでしょう。
焼き魚か、タラコや明太子もいいし、梅干しも海苔も最高。
もう、塩でも何でもいい。
義理の母が毎年新米を送ってくれました。
他所様に、うちの田んぼをお貸しして、収穫した新米のお裾分けです。
今は夫の弟が引き継いで送ってくれます。
今年もおいしい新米が届きました。
ありがたいことです。
東北地方の夫の実家には、盆と正月の2回ほど帰省します。
食事の時、義父は「うんめぇなぁ。」と言いながら、
義母は「んめごどぉ、んめなぁ。」と笑いながら食していました。
帰省した息子家族との大人数の食事は大変嬉しい様子で、
話好きの両親の楽しい会話が尽きません。
そして、義父は食後に言う言葉がありました。
「うーまかったぁ、うしまけたぁ。」
この言葉は、義父が心からおいしかった時だけ出るようで、
義母は、「お!父さんのお褒めの言葉が出た、出た。」と嬉しそうに笑い、
孫たちと一緒に「うーま勝ったぁ牛負けたぁー。」と独特の節をつけて、
繰り返し歌っていました。
たまたま午年の娘は、「わーい、馬が勝ったぁ。」と大喜びで、
たまたま丑年の私は、「う、牛負けたかぁ・・」と心で負けを悔しがるという、
大人げない思いをしたものです。
義父はすでに他界し、義母は今施設で暮らしています。
弟が送ってくれた新米を口にしたら、
おいしさと共に楽しかったことが思い出され、
思い出をいっぱい作ってくれた二人に会いたくなりました。
だけど、私がおいしかった時は、
「うーま勝ったぁ、牛も勝ったぁ。」と私は言うよ、お義父さん。