タイトル:『ペルト:スターバト・マーテル|交響曲第3番|都に上る歌』
作曲家等:アルヴォ・ペルト、クリスチャン・ヤルヴィ、 ベルリン放送交響楽団、RIAS室内合唱団
出版社:ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル
資料コード:630197057
請求記号: C7CQ/ぺ
合唱曲が好きです。それも古楽のグレゴリオ聖歌や、
ルネサンス期の多声音楽の宗教曲や世俗曲。
アルヴォ・ペルトという作曲家を知ったのは合唱からのご縁です。
30年ほど前、ヒリヤード・アンサンブルが参加していた『ARBOS』と
『ヨハネ受難曲』というアルバムのCDを購入したのが、初ペルトでした。
ヒリヤード・アンサンブルは当時の私のお気に入りの声楽アンサンブルです。
その『ARBOS』の最後の曲が「スターバト・マーテル」(悲しみの聖母)
でした。
何もない無の空間から音が生まれてくるように
「スターバト・マーテル」は始まります。
静かな声の重なりが美しくも瞑想的で、最小限の要素からなる音楽に
心地よく包まれて、深く深く思惟の底へと沈んでいきます。
時折、弦楽器の激しいパッセージに静かな祈るような空間が引き裂かれますが、
またリフレインされる美しい旋律の中へと戻って行きます。
歌詞など分からなくても深く心を揺さぶられます。
ご紹介するアルバムのもう一つの大曲は「交響曲第3番」です。
この曲は指揮者のクリスチャン・ヤルヴィの父、ネーメ・ヤルヴィに
捧げられています。
実はアルヴォ・ペルトに興味をもった30年前、「交響曲第3番」のCDを
購入しましたが、当時の私には金管の鋭い音列についていけず、
一回聴いただけに終わりました。
今回、改めて息子のクリスチャン・ヤルヴィの指揮で聴いてみると
そこまで金管も気になりませんし、意外に面白く感じました。
おそらく当時の私は時代の音楽に追いついていなかったのでしょう。
現代音楽に苦手意識のある方も一度聴いてみてください。