タイトル:『ない本、あります。』
著者:能登崇
資料コード:612213143
請求記号:913.6/ノ
を知りました。
「ない本」とは何かというと、募集した画像を表紙にして、
架空の書名や著者名、裏表紙にはあらすじまで書かれている、
まるで本当にある本かのように思える存在しない本のことです。
ひび割れた卵、チーズトースト、ガラスにくっついたカエル、
そんな日常的な写真からできあがる「ない本」が面白く、
投稿を楽しみにしていました。
しかしその本がどんなに面白そうで読みたくても、
存在しないので読めないことを悔しく思っていたところ、
「ない本」が本になりました。
それが『ない本、あります。』です。
「ない本」の表紙・裏表紙の写真が28冊分載っていて、
今まではあらすじしか読めなかったそれぞれの本に数ページの
ショートショートが書き加えられています。
本になったことで表紙の写真をじっくり見ることができ、
表紙に印字された出版社名(もちろん架空です)が
1冊ずつ違う会社なのだと気づきました。すごいこだわりです。
また、それぞれの著者の略歴も凝っていて、実在する気がしてきます。
ショートショートは本ごとに書体などが違い、
途中から複数の作家のアンソロジーを読んでいるように思えてきました。
SF、サスペンス、恋愛もの、1冊で様々なジャンルが読めてお得感もあります。
私はこの本のおかげでやっと読みたかった物語を読むことができましたが、
今度は続きが読みたくなってしまいました。
どの「ない本」も面白いせいです。
この試みに興味を持った方はぜひお手にとってみてください。
または最近本を読んでいないな、読む時間がないな、
という方にもおすすめです。