2017/09/28 | 国立博物館へ行ってきました。 | | by 図書館管理者 |
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「国立」が冠される博物館は国内にいくつ存在するかご存知ですか。
東京国立博物館、京都、奈良、九州の4つを国立文化財機構が所蔵しています。
この他にも、運営母体の異なる国立博物館や国立民族学博物館、国立近代美術館
などがあります。今回訪れた国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)は、通称、
歴博と言い、佐倉城趾の一角を占め、日本の「考古、歴史、民俗」の3分野を
展示の柱に据えています。
歴博は国立大学共同の研究機関で、展示内容の充実はもちろんのこと、展示方法
にも国立博物館の矜持が感じられます。人類の始祖から現代までの歴史が
日本を軸に紹介され、暮らしぶりの模型が再現され、妖怪展などその時々の
催し物も意匠が凝らされています。
ただ日本史を専攻した学生時代の苦い思い出がよみがえりました。
石器時代から見始め中世、近世と歩を進め、近代にいたる前にグロッキー。
なぜ同じ轍を踏む。時間切れになることを予測できない。
今回に至っては体力にあわせたペース配分というハードルまで加わったことに気づく始末です。
近いうちに再訪しようと思います。
問題解決には現代から遡ればよいのです。うん?順路というものが。
ひとり逆ルートはまずいでしょう。
<豆知識>
「民俗」と「民族」の違い、いままで気にとめたことがありませんでした。
・歴史民俗博物館(ex.千葉県佐倉市)主に日本の歴史や人々が対象
・民俗学博物館(ex.大阪府吹田市)世界の民族が対象
民俗学という言葉を使い始めたのは、日本の民俗学の父と言われる柳田国男氏。
自国の民間伝承や言葉・風俗・信仰などに関する学問を広めました。
近年、民俗学の対象は多様化し、風物詩として定着した節分の恵方巻きや
ガンダムのプラモデル、老人介護など、研究の対象は広がりをみせています。
〈本の紹介〉
『まよいが』汐文社(Y726.6/キ 柳田 国男/原作、京極 夏彦/文)
『日本の昔話と伝説』河出書房新書(388.1/ヤ 柳田 国男/著)
『被差別民とはなにか』河出書房新書(380.4/ヤ 柳田 国男/著)
『プラモデル進化論』イースト・プレス(507.9/コ 今 柊二/著)
『イルカと日本人』吉川弘文館(384.3/ナ 中村 羊一郎/著)