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2017/07/19

はじまりの一歩

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者


足の裏に異変を感じた。
朝目覚めて立ち上がると、激痛が走る。歩こうとすると痛くてよろける。
足を引きずってしまうようになった。

……のが、去年の夏のことである。
一番暑かった時期で、冷たいものばかり食べたり飲んだりしていたので、
内臓が弱っていてそれが第二の心臓と言われる足の裏に表れたのかと考え、
足裏マッサージというものに初めて行ってみた。

ところが係のおねえさんは「足裏よりふくらはぎの方がパンパンに張ってますね~」と、
ふくらはぎばかり熱心にマッサージしてくれるのである。
そう言われてもそちらには別段何の自覚症状もなかったから、
「そっちじゃない(怒)!足ウラ足ウラ‼」
と言いたかったが気が弱くて言い出せず、
おとなしくされるままになっているしかないのだった。
確かに施術後は子持ちししゃものような私のふくらはぎが幾分ほっそりとし、
たいしたもんだと思ったのだが、翌朝にはししゃもに戻ってしまった上に
猛烈な筋肉痛になり、肝心の足裏はほぐれたような感じもせず痛いままなのであった。
ただ後から思うに、痛いのをこらえるので変な歩き方になり、
ヘンなところにヘンな力がかかって、結果ふくらはぎも張っていた、
ということはあったかもしれない。

インターネットで「足裏」「指付け根(が、一番痛かったので)」
「痛い」と検索すると、たくさんヒットした。便利な世の中である。
いろいろ見てみた結果、痛いのはどうも内臓のせいなどでなく、
「開帳足」の症状であるように思えた。
開帳足とは、元々はアーチ形になっている足指の付け根のところの骨が、
加齢のために形が崩れてまっ平らになってしまう、というもので、
クッションの役割をするアーチがないのでバネも利かなくなり、
その状態で体重移動しようと踏んばると指の付け根あたりに相当な負担が
かかってしまうそうな。

納得だが。
それにしても。

私は大足である。夫には「なんだその足は!」と言われたものだ。
「大きくて平ったくて、色気も何にもない!」デリカシーのかけらもない言われように
むかっとするが、(…ごもっとも。)とうなずかざるを得ない残念な足なのである。
その残念な大足がさらにバージョンアップしたということか。"開帳"って、
いかにも「平べったい」という感じの字面ではないか。悲しい。

観念して整形外科に行った。
医者は軽く一言、「開帳足だね」
あ゛ー、やっぱり(ノДT)。
しかし原因が確定したとて、それが加齢によるものとあっては、
薬を飲んだら治るというわけにもいくまい。打つ手なしである。
対症療法ということで、痛みを和らげるための足指体操を教わって帰って来た。

再度ネット検索をして、「開帳足用サポーター」というものを見つけた。
つくづく便利な世の中である。
これは指の付け根のところをぎゅっと締め付けて崩れたアーチを少しでも補正・復元しよう
という涙ぐましい意図のものだが、実際のところ、コレと足指体操のおかげでずいぶん楽になった。
最初に「ヘンだ」と感じた時から半年以上経っていたと思う。

何十年も生きていれば、加齢による不都合が外見その他にあれこれ生じてくるのは当然で、
もちろん自覚もしていた。が、身体の苦痛を伴う不都合というのは今までになかったことで、
しかし今後は増えていく一方だろう。「終わりの始まりの一歩目」を実感したのである。
誰でも経験する特別でもなんでもないことだが、当人にとっては結構な一大事だ。
身体も頭もちょうどぴったり使い切って、余ルも足ラズもなく本当の最後のときを迎える、
というのが理想である。が、理想は理想としてまあ置いといて、そのときまでは、
さまざまな不都合不具合をだましだましうまく付き合っていくしかないのだなぁ…。
一歩目から1年かかって、平凡で当たり前過ぎる感慨にたどり着いたのであった。


12:23