蔵書検索


 
詳細検索
新着資料検索

利用方法
 

休館日

開館カレンダー


 中央 第四月曜日
 (祝日の場合は翌日)
 年末年始・特別整理期間
 第一
 第二
 第三
 第四
 月曜日
 祝日・年末年始
 特別整理期間
 iプラザ
 第二・第四月曜日
 (祝日の場合は翌日)
 年末年始・特別整理期間
 

開館時間

中央・iプ9:00-20:00 
第一~第四10:00-17:00
 

iブラリブログ

スタッフコラム >> 記事詳細

2020/03/10

筆の花

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

「筆の花」とは、いったい何の植物のことでしょう。

ヒントは、春の代表的な野草として
古くから日本人に親しまれ、
食べることもできます。


正解は「つくし」です。


つくしは、形が筆に似ていることから
「筆の花」とも呼ばれます。


つくしの "はかま" と呼ばれる
節のような部分を取り、
よく洗います。


茹でてアクを抜いたら、
ダシで煮詰めて佃煮や卵とじ、
きんぴらなどにすると
春の野趣を味わえます。


また、子どもたちは、
ままごと遊びで砂のケーキの上に
つくしをろうそくに見立て立ててみたり、
切り刻んでトッピングに使ったり
と春を感じながら遊びます。


大人の春の装いでも
可愛いつくしの形は、
着物や帯の文様として人気があります。


つまり、つくしは小さい子どもから大人まで
春の小さな使者として親しまれているのです。


そして、とりわけ、このつくしを好み、
つくしの歌をたくさん詠んだ俳人がいます。


正岡子規です。


正岡子規は
「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
の俳句でよく知られていますが、
子規は結核を患い、
ほとんどが寝たきり状態の生活の中、
多くの歌や俳句を詠みました。

思うように体を動かせない子規でしたが、
食欲旺盛な人で「仰臥漫録(ぎょうがまんろく)」には
子規がいつ、何をどれだけ食べたかが
細かく記録されています。


ある春のこと、子規の看病に
日々明け暮れている妹の律は、
近くに引っ越してきた河東 碧梧桐(かわひがし へきごとう)と
彼の家族に誘われ、3里離れた
赤羽根村までつくし摘みに訪れます。


律は帰宅すると子規の枕元で
つくしのはかまをとりながら、
嬉しそうに赤羽根での様子を
子規に話して聞かせました。


子規もその話を聞きながら

「つくしほど食ふてうまきはなく
つくしとりほどして面白きはなし」

などつくしの歌を沢山詠みました。


子規は、律と一緒につくし摘みに行けることはなく、
明治35年、赤羽根から3里離れた根岸の自宅にて
34歳という若さでこの世を去りました。


今年は暖冬の影響を受け、
春の使者たちもフライング気味に訪れそうです。


散歩の途中につくしを見かけたら、
摘んで食べてみるのも良し、
筆の花の如く、筆一本で歌の花を
いっぱい咲かせた子規のことを
思いめぐらせてみるのも楽しいかもしれません。


06:30