先日の台風が上陸する少し前、初めて石川県へ行ってきました。
初心者らしく、兼六園、金沢21世紀美術館、日本海の美味しい海鮮…
と王道ばかり攻めたのですが,
そんな中、一際印象強かったのが「忍者寺」。
本当の名は「妙立寺」といいます。
加賀三代藩主前田利常が移築建立した日蓮宗の寺です。
妙立寺の歴史上、忍者との関係は一切ありません。
ではなぜその呼び名がついたかというと、
からくり屋敷のような仕掛けが多くあるためでした。
第一の感動は、仕掛けの巧みさです。
隠し扉や隠し部屋は当たり前、落とし穴や隠し階段まであります。
さらに隠し階段へ続く扉は、中の人を閉じ込める仕組みになっており、
今でいうオートロックのような作りでした。
作られた目的が、来る人を楽しませるためのからくり屋敷ではなく、
敵が攻めてきた場合を想定したからか、仕掛けひとつひとつに無駄がなく、
美しさを感じました。
第二の感動を与えてくれたのは、案内係の方々です。
10人ほどのグループに分かれ、案内係の方の説明を聞きながら、
順番に仕掛けを見てまわるのですが、
その統率力と身のこなしが素晴らしく、大変スムーズにまわれました。
話力も高く、伏線を張りながら案内してくれるので、ずっと飽きずに楽しめます。
そしてグループごとに違うまわり方をしているにも関わらず、
終了のタイミングはほぼ全てのグループが同じでした。
案内係の皆さんがどれほどの経験をつまれているのか分かりませんが、
大変鮮やかなお仕事ぶりでした。
300年以上前の職人さんと、現在の案内係さんの2種類のプロの力が見られる「忍者寺」。
回し者ではございませんが、金沢へ行かれた際は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。