タイトル:『図書館からの冒険』
著者:岡田 淳
請求記号:913/オ
資料コード:612119061
岡田淳さんの作品は、小学生の頃からよく読んでいました。
「この人の本は、他のファンタジーとは何か違う!」
と夢中になったものです。
それは物語が学校から始まることが多かったからかもしれません。
自分の日常も、不思議な世界へ繋がっているんじゃないかと、
わくわく出来たのだと思います。
この冒険は、学校の「図書館」から始まります。
なんて魅力的なんでしょう。
とはいえ、通常とはちょっと違う状態の図書館からの導入なのですが、
日常のちょっとした冒険から大きな冒険へと、物語は広がっていきます。
一旦入り込んだら、もう逃れられません。
敵か味方か不気味な存在も出てきます。
なぜ存在するようになってしまったのか。
主人公の少年が、周囲の力を借りて、
その原因を見つけて、どう解決してゆくか考え、
実行までもっていく。
「やみくもに倒す」ではなく、
解決までの計画や工夫がきちんと描かれているのが、
作品の魅力の一つだと思います。
岡田淳さんは、小学校の図工の先生をしていらっしゃいました。
挿絵もご自身で描かれることが多く、この作品も例外ではありません。
地図もあるので、安心して本の中へ入っていけます。
視覚からのアプローチもさることながら、
聴覚、嗅覚など五感に響く表現にも注目です。
主人公は小学6年生の男の子で、
児童書ではありますが、大人でも楽しめます。
こんな世界に入り込んでしまったら、どんな風に感じるのか。
忘れてしまった感覚がよみがえる冒険が、まさに図書館から始まるのです!