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2017/02/25

●恋の記念日●

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

2月14日。いわずと知れたバレンタインデー。

今でこそ「おお。そうだった、そうだった。何かチョコのお菓子でも買おう」程度の軽い扱いとなってしまったこの日ですが、私にとって人生の一大事だった頃があります。

その頂点は忘れもしない15の冬。『手作りチョコ』なるものを作ったのは、この一回だけです。受験生だというのに...。想いを寄せる相手は同じクラスの男子。入試はこれからでしたが、同じ進路となる可能性は皆無です。今回が最後のチャンス!とばかりにどうにかこうにかチョコレートを作り上げたものの、渡せるかどうかが最大の問題でした。

彼はやんちゃなタイプでしたので、まず、当日学校に来るかどうか、来たとしても最後までいるかどうか不明。さらに、皆の前で渡すという自信も度胸もありません。どこかでこっそり、ということになると、ラクダが針の穴を通る方が、もっとやさしい!と思えるくらい難関に思えました。


迎えた当日。彼は登校してきたものの、授業が終わるやいなや、担任にいずこにか連行されていきました。「私チョコ渡したいから待ってるわ」などと友人に告げる勇気もなく、誘われるまま帰宅。そして煩悶がはじまります。

“いいのか私?もう今日を逃したらチャンスはないのに。いいのか?いや。良くない。でもどうする?どうしよう。むう。しかしこのまま家にいても事態は変わらないし。どうする私?さあ。どうする?”
若さとは向こう見ず。とりあえず学校へ向かってみることにしました。

しかし、いざ学校に着いたところで、他の生徒がいなくなったというくらいで、状況にはさしたる変化もありません。だいたい相手がどこにいるのか全く不明のままです。

“校内にまだいるのかしら?たぶん手ぶらだったから、持ち物での判断は無理。うう困った。そうだ!靴があるかどうか見ればいいのでは?チラッと下駄箱を見てみよう!”....と階段を下り始めた時、なんと!下から当の相手が上がってきたのです!

あれから倍以上の時間を生きましたが、あんなに緊迫した時間は他にありません。


“どうしよう、どうしよう、どうしよう。まだ心の準備とか出来てないんだけど。このまま何もない風に普通にすれ違っちゃう?それも不自然?っていうか、それじゃ来た意味ないよね。緊張する、すごい緊張する。緊張のあまり鼻血が出ちゃったらどうしよう。このシチュエーションで鼻血でるって相当恥ずかしいよね。でも、それもちょっと面白いかも。記憶には絶対残るよな。バレンタインにチョコくれた相手が鼻血出すって。いやいやいやいや。そういうふうな特別の存在になりたい訳じゃないから。”

すれ違うまでの数秒間にさまざまなことが頭を駆け巡り、その瞬間のことは全く覚えていません。何と言ってチョコレートを渡し、何と言って受け取ってもらったのか。その後どんな心持ちで帰宅したのか。さっぱり記憶にないけれど、行動を起こしてみれば、チャンスの女神が微笑んでくれることもあるのだと、強く心に刻まれたバレンタインデーとなりました。


大人になってから周囲の人々に聞くと、男性にとってもバレンタインデーはドキドキのイベントだったようですね。モテる友人が家に遊びに来ていたために、その子目当てに女子が次々と訪ねて来たけれど、自分の元には一つも届かなかったという人。

「もしや渡す隙がなかったのでは?」と、放課後学区内を自転車でぐるぐる廻ったという人。

駐輪場で全く知らない女子からチョコレートをもらうという幸運に恵まれた人。

悲喜こもごもですが、お年頃の男女にとって心落ち着かない一日、として記憶に残っているようです。今年はもう終わってしまったけれど、年に一度、すてきな恋の記念日を!


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