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2020/03/21

たいへん

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

噂には聞いていました。


「途方に暮れた」
「ケンカになった」
「すごく大変で疲れ果ててしまった」
「時間と経費がとにかくかかった」
「もっと早く、生きている時にやるべきだった」

実家の荷物の片付けのことです。

親が亡くなってしばらく経ち、
やっと私も重い腰を上げる気になってきました。


「私たちが死んだら何でも捨ててちょうだい。」
と笑顔で話していた親の荷物の多さにびっくり。
ほんとに何でも取ってありました!


昭和ひとケタで生まれ。
物のない戦前・戦中・戦後を生き抜いた人で、
一応普通の生活水準を成しえた人の押し入れ・タンスには、
物がぎっしり詰まっていました。


唐草模様の大きな風呂敷には、
私たちが帰省した時に使うようにと、
お客様用の布団が何組もそっくり新品のように取ってあり、
押し入れの中で層をなしていました。


タンスには、律儀にも一枚一枚クリーニングに出し、
ビニール袋が被ったままの洋服がぎっしり詰め込まれていました。


この年代の人は「何かあった時のため」に
とにかく取っておくのが習い性。

お呼ばれした結婚式の引き出物が多数。
昔の結婚式の引き出物は見栄えが良く、
持ち帰るのにも大変な
かさ張る物が主流でした。


また、何かの行事名入りの記念品も多数。
今は廃線となっていますが、
会社に引き込まれていた
鉄道の線路(実物)30㎝もありました。

労使交渉で使ったらしい文言が赤で染め抜かれた
手ぬぐいハチマキ数枚まで、端がほつれた物でも
きちんとたたんで取ってあるのには、笑ってしまいました。


皆さまはアルバムの整理で懐かしい写真に目がいき、
見入ってしまい、片付けが捗らなかったとよく聞きますが…
私はまだその段階にも行っていません。


しいて言えば、私が子供の頃で
親が40代、50代で着ていた服に懐かしさを覚え、
その頃の元気だった両親、にぎやかな団欒がよみがえってきました。


高齢になってからの服には、私が何かのついでに送った物が、
あまり袖を通した様子もなく、次々と出てきました。

真新しい下着も山のように取ってありましたが、
普段は自分で繕ったりした物を着ていたようで、
病院にかかるようになって、
それでは恥ずかしいと着始めたようです。

しかし、すぐに介護のしやすい肌着のお世話となり、
手付かずのままタンスに納めてありました。
離れて暮らす私もそこまで気が回らず、申し訳なく思いました。

私自身を省みて、今流行りの断捨離ではありませんが、
終活を始めても遅くない年代になってきました。
身の回りの整理の時期が来ていると強く感じました。


(追伸)
物を取っておくことを、さも悪いことのように書いてしまいましたが、
この数週間、お店に行っても陳列棚にマスクなし、
消毒薬なし、ティッシュなし、トイレットペーパーなし
…とくると生活に不安・不便を感じ、うろたえてしまいますし、
親のように物を取っておくことを否定できなくなりました。
本当に何もない不便さを生き抜いた親は
やっぱりすごかったですね。


06:30