タイトル:『ワニの丸かじり』
著者:東海林さだお
請求記号:V/596.2/シ
資料コード:610319072
以前よりずーっと読みたいと思っていた
“丸かじりシリーズ”をここ最近読み始めた。
コロナ禍での2か月の閉館後、
6月に図書館が再開して以来、
10冊本を借りるとしたら、
内3~4冊は食べ物に関する本を選んでいる。
レシピ本や食材についてだったり、
食べ物に関するエッセイだったり。
今まで食べ物に関してせいぜい月に1冊、
借りるか借りないかというくらいだったが、急に増えた。
食べることに対して、
何か不安でもあるのだろうか?
あるいは2か月間の興味が、
ほぼ食事に向けられていたからだろうか?
この『ワニの丸かじり』は1990年の出版だが、
人間が共感することは30年昔であっても変わらない。
タイトルの食べ物に対してはもちろん、
人間についても細かく観察したり、
想像をあちこち飛ばしたりしていく。
どれも、そうそう!そういうことある!と納得するばかり。
例えば、この季節の枝豆について。
走りの頃と旬の枝豆のちがいを語り、
枝豆を一番美味しく食べる
シチュエーション作りのためには、
お父さんは浴衣を着るだけではなく、
庭のしつらえから始めなければならないのだ。
そして、“三つぶいり”、“二つぶいり”、“一つぶいり”の
枝豆に対する思い入れについても語る。
最後はそら豆との違いまで。
ずーっと読みたいと思っていたなら、
さっさと読めばよかったのに。
こんなに面白いなんて今まで損してた
と思わせてくれる“丸かじりシリーズ”だ。
でも、これからは得をするばかり。
なんと、このシリーズは42巻もあるのだから。
まだまだかなり長い間、楽しめる。