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2016/09/30

北海道の道

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

目に見える限りまでまっすぐに伸びた道。暮れかかった空のはるか向こうに対向車とおぼしき車のライトが小さく浮かび上がります。

しかし、いっこうに近寄ってくる気配がなく、止まっているのか、と訝っていると、しばらくしてからゆっくりと近づいてくるのです。

ここは苫小牧から支笏湖に向かう国道。このまま、深い緑の林に包まれて、この道をただまっすぐに走っていると、そのうち天国まで行ってしまいそうな不思議な感覚さえしてきます。
 
幸い天国に行き着くことはなく、支笏湖畔の宿に辿り着き、私たちのドライブ旅行の第一日目を終えましたが、その後も次々と美しい風景とそこに広がる道路を楽しむことができました。

十勝平野のジャガイモやタマネギ畑の農道、定規を引いたような美瑛の黄金色に輝く田んぼの中の立派すぎる畦道、キタキツネと出会った阿寒国立公園の林道。網走の丘陵地帯のアップダウンの農道はまるでジェットコースターに乗っているようで、こんな道でもまっすぐなのに驚かされました。

オホーツク海沿岸を走る釧綱鉄道と並行する国道では潮の香りに疲れも消えました。北海道の開拓は道路を作ることから始まったというのもうなずけます。


そのような北海道の道路に哀しい歴史があることを「博物館 網走監獄」の見学で知りました。明治の初期、北海道の開拓には道路を作ることが急務とされ、オホーツク沿岸と道央を結ぶために1200人の囚人が網走に集められました。

その囚人を収監するために作られたのが網走監獄です。囚人とはいえ当時の明治政府に造反した政治犯も多く含まれ、厳しい労働と劣悪な環境の下、200人もの命が失われていたということです。

現在も刑務所は存続していますが、増改築が進み、昭和58年に古い建造物は網走湖畔の小高い丘の敷地に移築され、博物館となりました。西洋風の建物と近代的なシステムを取り入れた収監所は、その外面とは裏腹の過酷な生活を物語る貴重な役目を担っています。
 
函館から7日間、一日平均250キロのドライブは各地の名所を楽しみながら旭川空港で無事終了。高速道路には片側一車線で50キロの速度制限のある部分も多く、戸惑うこともありましたが、北海道の広さを十分に堪能することができました。
  
最後に、私はまったくハンドルを握ることはありませんでした。
旦那様、お疲れ様でした。


参考までに北海道の開拓に従事した囚人たちの実態を描いた歴史小説をご紹介します。
「赤い人」吉村昭著(中央図書館所蔵 資料コード610342849)

 


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