タイトル:『大どろぼうホッツェンプロッツ』
プロイスラー/作・中村浩三/訳
資料コード:611195597ほか
請求記号:943/プ
大どろぼうホッツェンプロッツシリーズは、
言わずと知れたドイツの名作童話ですね。
初版は1966年と古く、そういえば子供の頃読んだ、
という方も多いのではないでしょうか。
私自身も子供の時に読んだ記憶を思い出しながら、
今回は子供達と一緒に再度、ものがたりの世界に入り込みました。
あらすじは、2人の少年カスパールとゼッペルが
大どろぼうホッツェンプロッツに取られてしまったおばあさんの
コーヒー挽きを取り戻しに行くという冒険物語なのですが、
途中に魔法使いや妖精が出てきて子供達の大好きな魔法が使われたり、
実は色々な伏線がひかれていて思わず前に戻って読み返したりと、
ものがたりに夢中になる仕掛けがたくさんあります。
そしてこのお話、今回子供と一緒に読んだことで、
読む年齢によって色々な楽しみ方が出来ることに気が付きました。
低学年の子は、カスパールがわざとバカな子供のふりをして
魔法使いの名前を間違えて言ってみたりするシーンがツボにはまったようで、
ゲラゲラと笑っていました。
すこし上の学年の子になると、魔法を使ったりしてこんがらがっていく
色々な伏線が最後にまとまるストーリー展開がとても面白かったと言います。
一方で私が再度読み返した事で感じた面白さは、
このお話に出てくる登場人物の人柄や人間関係でした。
ホッツェンプロッツやそれを追う警官ディンペルモーザーなど
個々の登場人物の性格が面白く描かれているのはもちろんなのですが、
2人の少年しっかりもので頭が回るカスパールと要領は悪いけど
友達思いのゼッペルの友情関係、またホッツェンプロッツと
魔法使いツワッケルマンの人間関係ならぬ力関係、
などといった視点に注目して読んでいくと、またちがった面白さを
感じられました。
お話の最後にカスパールも言っていますが、
大どろぼうホッツェンプロッツは実は続きのシリーズがあり、
またカスパールとゼッペルはまた違ったかたちで
ホッツェンプロッツと対決していきます。
大どろぼうホッツェンプロッツの魅力にはまった方は、
是非続きもお試し下さいませ。
◆参考:『大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる』
(資料コード:610336654ほか)
『大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる』
(資料コード:610336663ほか)