皆さま、今年の節分を楽しくおいしく(恵方巻は毎年進化していますね)
迎えられたでしょうか?節分の翌日は立春、季節は確実に進んでいます。
私の子どもの頃、節分は楽しみな日でした。
町内の子ども会の行事で節分の日には子どもたちで集まって、
各家を訪れてお菓子をもらうのです。袋に小分けしたお菓子を配る家も
ありました。この方法はどの子も平等にお菓子をもらうことができます。
我が家はこっち派でした。
一方、お座敷に通されて、お菓子や箱いっぱいのみかんを投げられ、
それを子どもたちが受けとめたり、拾ったりする能力制のお家もありました。
意外にも己の能力を試される後者のやり方のほうが私はワクワクして
好きでした。
子ども会では一番年少で下っぱの私がお菓子をどのくらい
獲得できたかはもはや記憶にありませんが、
特に不満を感じていなかったことから考えますと、
おそらく兄や近所のお姉さま方に多分に気遣いされていたのでしょう。
夜になると、近所の大きな神社から鬼の一団(町内のお兄さま方が
扮装しています)が派遣され、各家を訪れます。「鬼は外、福は内」と
豆をまかれて、鬼たちは予定調和的に逃げて行くのでした。
ある年の節分の日、私はぷらぷらと幼稚園から一人で帰っておりました。
当時は送迎なしで幼稚園に通うのは普通だったのです。
真っ直ぐなんて帰りません。あちこちの友だちの家へ遠回りしたり、
お寺の境内で遊んだり、当時の私は立派な道草の常習犯でした。
家の近くの和菓子屋さんの角を曲がったときです。
鬼たちに出くわしました。
今から思えば、鬼たちは幼稚園や保育園などへ豆まきのお仕事に出かけての
帰りだったのでしょうが、「道草をする悪い子はお前かー!」と
追いかけてきました。なぜ、道草をしたことがわかったのでしょう?
一人で鬼に立ち向かわなければならなくなったまさかの事態に
(しかも豆という武器を持っていない!)私は脱兎のごとく逃げ帰りました。
短い距離しか追いかけられなかったのですが、なかなかに怖い体験でした。
その日の夜、鬼たちの訪問に、道草が両親にバレたらどうしようと
私はドキドキしていましたが、鬼たちはいつものように豆をまかれて
逃げていき、その年の節分は予定調和的に無事終了したのでした。