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2018/08/01

雑草から進化へ、愚考が散らばった。

Tweet ThisSend to Facebook | by 図書館管理者

雑草の花が結構好きだ。

春のうちは、歩いている時に道端のいろいろな種類の雑草が
順番に小さな花を付けていくのを眺めるのが、ずいぶんと楽しかった。
自然と「これは何ていう花だろう」と思うようになり、
雑草図鑑的なガイドブックを買った。

さらには、名前だけでなくその名前の由来や性質にも興味がわき、
『身近な雑草のゆかいな生き方』という本を見つけて読んでみた。
疑問点をわかりやすく丁寧に解説してくれるだけでなく、
著者がなかなか愉快な方のようで語り口がとても楽しい。

たとえばヘクソカズラ(なんと強烈な名だ)の項を読んでみると。
この植物は名前の通りめっちゃ臭いが、花は愛らしい。
その可憐な花が厳しい自然界に無防備に置かれている。
アリなどの虫どもが花の蜜を狙っているのだ。

そこでヘクソカズラは、花の中への虫の侵入を防ぐために
細かい毛を密生させるように工夫した。
侵入を防ぐだけでなく、追い払うために、悪臭を放つ成分を
蓄えることを考えた、のだそうだ。
『工夫したんかい!考えたんかい!ヘクソカズラがっ!!』
 …と、突っ込みを入れたくなるような記述が多出する(笑)。


いや。 待て待て。
笑ってる場合じゃないのだ、私的には。

以前から不思議に思っていたのである。
動物ドキュメンタリーのテレビ番組などを見ていると、
先のような説明がわりと頻繁に出てくるのだ。

しかし。形状や性質が○○のように変化すると
(ヘクソカズラの場合だったら臭くなると、)
生き残りのために有利である、という事情があった時に、
だからって○○になれるものなのか?

たとえば森の中でばったりクマと出くわしてしまい必死で逃げる、という時に、
そりゃ少しでも速く走れる方が生き残る確率は高いだろう。
危機に備えて速く走れるようになりたいと思うのは当然だが、
思えば俊足になるのか?……なりゃせんって。

そもそも、ある個体が天に願いが通じてだか突然変異だかで
生き残りに有利な形状や性質を獲得できたとしたって、
それはその個体一代限りの話だ。

では、森にいたのが鈍足のAさんと俊足のBさんの二人だったら。
哀れAさんはクマに捕まって食われてしまい、Bさんは逃げ延びる。
生き残ったBさんはその後家庭を持ち、俊足の遺伝子を受け継いだ
子どもが生まれてくるが、Aさんの鈍足遺伝子は
とっくに消滅してしまっている。

こういったことが何回も何代も繰り返されれば、
何千年後かには人類みな超俊足となるのだろうか。


「進化」ってこういうことか?自然淘汰説とか云うんだったっけ。
小学生より進化に関する知識を持ち合わせていない
理科オンチの言うたわごとなのだけれど、
今現在のこの状態が進化の最終形ということはない、気がする。
人類だけでなく植物や動物その他すべてがいまだ進化の途中の過程にあるなら。

今後ヘクソカズラの匂いはますます強烈になる
(あるいは、何かが起こって、まったく臭くなくなる)。
私は名うての鈍足だが、三十代ぐらい後の子孫は
100メートルを7秒で走れるようになっている、かもしれない。
代のどこかで運悪くクマに捕まったりすることがなければの話だが。
……どうも、進化についてはもう少しちゃんと勉強した方が良さそうである(^^;)。


話を雑草に戻して、先述の本のご紹介です。
『身近な雑草のゆかいな生き方』 稲垣栄洋 著 三上修 絵 (470/イ)

実は以前にもご紹介したことがあるのですが、同じ著者の『雑草キャラクター図鑑』(470/イ)という本もあります。こちらはカラーのイラスト入りで、いっそう楽しいですよ。

暑い今の時期は花を付ける雑草の種類が少なくなっているけれど、
秋になったらまた道端に小さな花々が咲き始めて、楽しめるようになります。
興味のある方はぜひご一読を^^。


15:30