タイトル:『世界のおばあちゃん料理』
著 者 :ガブリエーレ・ガリンベルティ/小梨 直 訳
請求記号:D596/ガ
中央図書館所蔵コード:611883450
下町で生まれた祖母は新しいもの好きで、テレビなどで観た料理をよく作ってくれました。その中でも一番印象に残っているのはフレンチトースト!
今ではすっかりおなじみの食べ物ですが、30年近く前の子どもには斬新な朝ごはんでした。パンは食パンだし、上にかけるのもハチミツかお砂糖だったけれど、それまで体験したことのない食感と風味がやみつきになり、お泊まりの度に「作って!作って!」とせがんだものです。
本書は、「おばあちゃん子」だったイタリア人の写真家が、世界50ヶ国を巡り、58人のおばあちゃんに作ってもらった料理の記録です。見開きの右ページには自宅のキッチンや居間にいる「おばあちゃん」と材料の写真、左ページには完成した料理の写真が、次ページの見開きにはおばあちゃんのプロフィールのようなものと料理のレシピが掲載されています。キッチンと言ってもその情景はさまざま。ヨーロッパやアジアの近代的なキッチンもあれば、ハイチやマラウイ共和国のように完全に屋外という国も。
作ってくれる料理も多種多様で、「わあ!おいしそう!」と思わず感嘆の声があがってしまうものもあれば、「こ…これは一体どのような味かしら…」と全く想像のつかないものもあります。
でも、おばあちゃん達の笑顔からは、これまで重ねてきた年月の威厳が滲み出ていて、当たり前のことですが、世界中のあらゆる場所で、料理を作り食べるという『生活』が営まれているのだと、改めて感じさせられます。
ケイマン諸島のマリアさんのお料理もパンチの強いものの1つ。生まれ故郷ホンジュラスの名物料理だそうで、レシピも掲載されていますが、こればかりは実際に足を運ばないと口にすることはできなさそうです。詳細は実際にご覧になっていただきたいのですが、本文にあるアドバイスだけここにご紹介します。
「このレシピでいちばん厄介なのは、もちろんイグアナを捕まえて新鮮な肉を手に入れること......それさえできれば、あとは簡単です!」
どんなお料理か興味のある方は、ぜひ資料でご確認ください。